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子どもの事について調べていたり、障がいや療育などを検索していると、「発達支援」というものを目にする機会があるかと思います。

幼稚園や保育園などで聞いた事があるという保護者の方も中にはいるかもしれません。

そんな「発達支援」に関する事について、本記事では詳しく解説していきたいと思います。

発達支援とは?

発達支援とは、発達に遅れや障がいのある子ども達に対し、その子どもが持つ可能性を最大限に引き出す事を目的とした支援の事を言います。

この支援には、言語能力、社会性、身体的なスキル、学習能力など、様々な発達領域にわたる介入が含まれ、発達支援の目的は、子ども一人ひとりの発達を促し、社会参加を支える事にあります。

児童発達支援とは?

児童発達支援は、発達に遅れが見られるか、障がいがあると診断された幼い子ども達(主に就学前の児童)を対象にした、早期からの包括的な支援サービスです。

この支援の目的は、子ども達の社会的な適応能力や自立した生活能力、コミュニケーション能力などを育て、発達の可能性を最大限に引き出す事にあります。

児童発達支援は、一人ひとりのニーズに合わせてカスタマイズされ、言語療法、作業療法、心理支援、教育的な支援など、多岐にわたるプログラムを提供します。

これらのサービスは、児童発達支援センター児童発達支援事業所などの施設で提供されます。

また、児童発達支援は、子どもだけでなくそのご家族に対してもサポートを提供します。

ご家族への支援には、子育て相談、育児ストレスの軽減、親子の関係構築などが含まれる事があります。

これにより、子ども達が健やかに成長する為の環境を家庭内外で整える事が目指されます。

児童発達支援センターとは?

児童発達支援センターは、大きく分けて「福祉型児童発達支援センター」「医療型児童発達支援センター」の2種類あります。

福祉型児童発達支援センターと医療型児童発達支援センターは、主に提供されるサービスの性質と焦点において異なり、以下に主な違いをまとめました。

福祉型児童発達支援センター

【サービスの焦点】福祉型センターは、社会的なサポートや教育、日常生活のスキル向上に焦点を置いたサービスを提供します。

発達障がいがある子どもやそのご家族に対して、社会参加を促し、支援の必要性を満たす事を目的としています。

【提供される支援】個別の支援計画に基づく療育プログラム、言語療法や作業療法などの療育サービス、親子プログラム、相談支援などが含まれます。

【対象】一般的には就学前の子どもが対象で、サービスは主に日常生活のスキル向上や社会性の発達に重点を置いています。

医療型児童発達支援センター

【サービスの焦点】医療型センターは、医療的な評価、診断、治療を含む、より専門的な医療サービスを提供します。

子どもの健康状態や発達に関わる医学的な側面に焦点を当てています。

【提供される支援】専門的な医療的評価と診断、言語療法や作業療法を含む個別療育プログラム、心理支援、ご家族へのサポートなどが含まれます。

【対象】発達障がいや身体的な障がいを持つ子ども達が主な対象で、医療的な管理や介入が必要な子ども達に特化しています。

福祉型と医療型の主な違い

【サービスの性質】福祉型は日常生活のサポートと社会参加を促進するサービスに焦点を置き、医療型は医学的な評価、診断、治療に重点を置いています。

【専門性のレベル】医療型は医療専門家による評価と治療が行われるのに対し、福祉型はより広範な発達支援と社会参加の促進に重点を置いています。

【対象となる児童】両者は障がいを持つ子ども達を対象としていますが、医療型は特に医療的介入が必要な子ども達にサービスを提供します。

これらの違いは、子ども達とそのご家族に合わせた適切な支援を選択する上で重要です。

利用するサービスに応じて、専門家のアドバイスを求める事が推奨されます。

児童発達支援センターと児童発達支援事業所の違い

児童発達支援センターと児童発達支援事業所の違いは、主にその設置目的、提供されるサービスの範囲、および対象となる児童の年齢やニーズによって異なりますが、呼称の違いによる混同もある為、地域や制度によって異なる場合があります。

以下は一般的な区別ですが、具体的なサービス内容や対象年齢は地域や事業所によって異なる場合があります。

児童発達支援センター

【目的】主に就学前の子ども(幼児期)を対象に、発達に遅れが見られる場合や障がいのある子ども達に対して、早期からの総合的な支援を行う事が目的です。

【サービス内容】個別支援計画の作成、早期教育プログラム、療育サービス、親子プログラム、相談支援などが含まれます。

【対象】主に就学前の幼児が対象ですが、具体的な年齢範囲は施設や地域によって異なる事があります。 

児童発達支援事業所

【目的】こちらも発達に遅れが見られる児童や障がいのある児童を支援する事が目的ですが、児童発達支援事業所はより広範な年齢層を対象にサービスを提供する事があり、具体的なサービス内容や対象年齢は事業所によって異なります。

【サービス内容】児童発達支援センターと同様に、個別の支援計画に基づく療育サービスや教育プログラム、親子での参加プログラム、相談支援など多岐にわたる事が一般的です。

ただし、事業所によっては就学後の児童を対象とした放課後等デイサービスなど、より幅広い年齢の子ども達への支援を行っている場合もあります。

【対象】幼児から学齢期の児童まで、より広い年齢範囲の子ども達が対象となる事があります。

総じて、児童発達支援センターは主に就学前の子ども達への早期支援に特化している事が多いのに対し、児童発達支援事業所は年齢層が広く、就学後の子ども達も含むより多様なニーズに対応している場合があります。

ただし、これらの区分は地域によって名称やサービス内容にバリエーションがある為、具体的なサービス内容や対象年齢については、直接関連する機関に問い合わせるのが最も確実です。

放課後デイサービスとは?

放課後デイサービスは、障がいのある子ども達が学校が終わった後や長期休暇中に利用できる、日中支援サービスの一種です。

主に障がいのある小学生から高校生までを対象とし、社会性の向上、自立した日常生活の支援、学習支援、運動やレクリエーションを通じた心身の発達促進など、多岐にわたるプログラムを提供しています。

このサービスは、子ども達が安全な環境の中で楽しく過ごしながら、様々なスキルを身につける事を目的としております。

また、放課後デイサービスは、働く保護者を支援する側面も持ち合わせており、保護者が就労する時間帯に子ども達が適切なケアを受けられるようにする事も目指しています。

サービスは、地域によって提供される内容やプログラムが異なる場合がありますが、一般的には子ども達の発達段階や個別のニーズに合わせた支援が行われます。

児童発達支援を利用するには?

児童発達支援を利用する為の一般的な手順としては、地域や具体的なサービスによって多少異なる場合がありますが、以下のステップに沿って進む事が多いです。

【情報収集】

まずは、お住まいの地域で利用可能な児童発達支援のサービスについて情報を収集します。

市町村の福祉課、児童相談所、または特定の支援センターなどに問い合わせる事から始めると良いでしょう。

【相談】

子どもの発達に関して気になる点があれば、まずは児童相談所や医療機関、地域の福祉センターなどで相談をします。

ここでは、子どもの現状や必要とされる支援について専門家からの意見を聞く事ができます。

【評価・診断】

必要に応じて、子どもの発達状況や障がいの有無について、医療機関や専門の評価機関で評価・診断を受ける事があります。

これにより、どのような支援が適切かを判断します。

【申請手続き】

支援を受ける為には、市町村などの地方自治体に対して、必要な申請手続きを行う必要があります。

障がい者手帳や障がい児受給者証の取得であったり、支援内容やサービスによっては支援が必要である事を示す診断書の提出が求められる場合があります。

【支援サービスの利用開始】

申請が承認された後、指定された児童発達支援事業所やセンターで支援サービスを受ける事ができます。

サービスには、個別の療育プログラム、集団での活動、保護者への支援や相談などが含まれる事があります。

【定期的な評価と見直し】

支援を受けている間に、子どもの発達状況やご家族の状況に応じて、定期的に支援内容の評価や見直しが行われます。

これにより、必要に応じて支援計画を調整し、より適切な支援を提供します。

児童発達支援の利用を検討している場合は、まずは地域の児童相談所や市町村の福祉課に相談する事から始めると、具体的な手続きや必要な支援についての情報を得られます。

児童発達支援の利用には、医師の診断や専門家の評価が必要な場合が多いです。

また、地域によっては利用できるサービスの内容や対象となる障がいの種類が異なる為、最初にお住まいの地域の情報を確認する事が大切です。

サービスの利用には、待ち時間が発生する場合もありますので、早めに手続きを始める事をオススメします。

障がい者手帳と障がい児通所受給者証について

障がい者手帳と障がい児通所受給者証は、いずれも障がいを持つ人々が適切な支援を受ける為に必要な公的な証明書ですが、その対象、目的、提供されるサービスなどにおいて異なる点があります。 

障がい者手帳

【対象】障がいを持つ全年齢の人々。

【目的】手帳の種類(身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳)に応じて、医療費の補助、税制上の控除、交通機関の割引、就労支援など、障がい者が社会生活を送る上で必要な支援を受ける事ができます。

【利点】幅広い年齢層と障がいの種類に対応し、様々な福祉サービスや社会参加をサポートする為の証明書となります。 

障がい児通所受給者証

【対象】主に18歳未満の障がいを持つ児童(一部サービスでは20歳未満まで)。

【目的】児童発達支援や放課後等デイサービスなど、障がい児が必要とする特定の福祉サービスを受ける事ができます。

これらのサービスは、子どもの発達支援やご家族の支援、社会参加の促進を目指しています。

【利点】幼少期から青年期にかけての障がいを持つ児童が、その発達段階に応じた適切な支援を受けられるようにする為の証明書となります。 

障がい者手帳と障がい児通所受給者証の主な違い

【対象年齢と範囲】障がい者手帳は全年齢の障がい者を対象としていますが、障がい児通所受給者証は主に18歳未満(一部20歳未満)の障がい児を対象としています。

提供されるサービスの種類】障がい者手帳は幅広い福祉サービスや社会的支援を受ける為のものですが、障がい児通所受給者証は特に児童発達支援や放課後等デイサービスなど、障がい児特有の支援サービスを受ける為のものです。

【目的】両者とも障がいを持つ人々の支援を目的としていますが、提供されるサービスの内容や対象となる人々において異なります。

これらの違いを理解する事で、障がいを持つ本人やそのご家族が適切な支援であったりサービスを受ける為の手続きをスムーズに行う事ができます。

発達障がいかもしれないと感じたら

発達障がいに関する相談をする為の窓口はいくつかあり、以下は一般的な相談先となります。

【保健センターや児童相談所】

地域の保健センターや児童相談所は、子どもの発達に関する相談を受け付けています。

専門の相談員がいる場合もありますので、まずはこちらに相談してみるのが良いでしょう。

【精神保健福祉センター】

発達障がいに関する相談や支援を提供している場合があります。

専門のカウンセラーや支援スタッフが相談に乗ってくれる事があります。

【病院や診療所】

小児科や精神科など、子どもの発達に関する診療を行っている病院や診療所に相談する事もできます。

医師や専門家が子どもの状況を評価し、適切な支援や治療を提案してくれます。  

【地域の支援団体やNPO】

地域によっては、発達障がいに関する情報提供や支援活動を行っている団体やNPOがあります。

こうした団体に相談する事で、他のご家族や専門家との繋がりを得る事ができます。

【幼稚園や保育園・学校】

幼稚園や保育園の先生、学校の教育相談窓口や担任の先生、特別支援学級の担当教員などに相談する事もできます。

これらの窓口を利用して、子どもの発達に関する悩みや疑問を相談し、適切な支援や対応を得る事が大切です。

まとめ

発達障がいの多くは、乳幼児健診や幼稚園、保育園などからの指摘がある事で気付く事が多いです。

しかし、発達障がいの認知度が高くなると共に、気になる特性があると保護者の方はうちの子どもは発達障がいなのではないか?と思うケースも多くなってきました。

発達障がいは早期療育を受ける事で、とても大きな効果をもたらす事が可能です。

発達障がいかどうかを自己判断せずに、まずは少しでも気になる事があれば市区町村の相談窓口や児童相談所などに相談してみてはいかがでしょうか。

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