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福祉お役立ち情報
保育士の皆さんは保育士として働き始めた後、そのまま継続して働く方、退職してしまう方、キャリアアップを目指す方など様々いると思います。
その中で、今回は保育士の方でキャリアアップを目指したいという方に焦点を当てて記事を書いていこうと思います。
保育士の給与は低い?!
保育士の方で資格を取得し働き始めたは良いが、保育士は思ってた以上に給与が低いという声を非常に多く聞きます。
令和5年度の障害福祉サービス等経営実態調査によると、保育士の平均給与額は22万6280円となっております。
令和5年度の障害福祉サービス等経営実態調査によると、保育士の平均給与額は22万6280円となっております。
しかし、児童発達支援管理責任者へキャリアアップをすると、児童発達支援管理責任者の平均給与額は27万8480円と、約5万円の給与アップへと繋がります。
児童発達支援管理責任者とは?
児童発達支援管理責任者(児発管)とは、障がいを持つ児童の成長や発達度合いに応じ、家庭や関係機関との連携を行いながら療育提供のサービスを管理する専門職の事を言います。
専門のスキルや技術を活かし、子ども一人ひとりに応じた個別支援計画の作成をはじめ、質の高い療育に向けてスタッフの管理、助言や指導なども行います。
児童発達支援施設に必ず1名以上配置する事が義務づけられており、療育において欠かせない存在が児童発達支援管理責任者です。
児童発達支援管理責任者に似た職種に、サービス管理責任者(サビ管)という仕事があります。
サビ管も障がいを持つ方の支援計画の作成を行う職種ではありますが、児童発達支援管理責任者との違いは、児童発達支援管理責任者は18歳未満の子ども(障がい児)を対象とし、サビ管は18歳以上の大人(障がい者)を支援の対象とします。
児童発達支援管理責任者の仕事内容
児童発達支援管理責任者の主な仕事内容としましては、
・個別支援計画書の作成
・アセスメント&モニタリング
・見学対応・契約業務
・保護者対応
・関係機関との連絡・調整
・請求業務
・人材育成
・シフト作成
・支援会議の実施
などがあります。
個別支援計画の作成
個別支援計画は、障害のある子どもの成長や療育と保護者への支援を行っていく為に必要な指標であり、サービスを提供する前の面談(アセスメント)で、子どもの発達や心の状態を把握し、保護者のニーズと照らし合わせながら目標が達成出来るように支援内容の方向性を決めて作成していきます。
アセスメント&モニタリング
アセスメントとは、利用児の家庭や学校などの様子を情報収集し分析して、自立した日常生活を営む為に必要な課題を把握する事です。
モニタリングとは、個別支援計画に基づいて作成したサービスが提供出来ているかなどの実施状況や実際の効果や課題の達成度合いなどを確認する目的で実施します。
おおむね6ヶ月に1回以上実施をしますが、子どもや家庭の状況に応じて計画変更を行います。
保護者への支援・人材育成・地域連携など
【家族支援】
定期的に保護者との面談を行う事で保護者の悩みや負担を軽減し、安心して子育てが出来る環境を整える支援を行います。
【地域連携】
子どもや保護者が必要とする支援を地域で受けられるよう、児童発達支援管理責任者は様々な機関の窓口となり、情報提供や支援内容の調整などを行います。
【人材育成】
豊富な知識と経験を活かし、スタッフの教育を行ったり、個別支援計画に基づいた支援が実際に行われているかチェックをしたりと、子どもへの支援をチームとして進めていく事も大切な仕事の一つです。
保育士から児童発達支援管理責任者になる為には?
児童発達支援管理責任者になる為には、まず「実務経験」と「研修の修了」が必要になります。
また、研修を受けるには実務経験の要件を満たす必要があり、児童発達支援管理責任者になる為のルートを分類すると、
「A:直接支援・相談支援業務ルート」と「B:国家資格ルート」があり、保育士資格をお持ちの場合はAルートに該当いたします。
実務経験の要件について
『A:直接支援・相談支援業務ルート(実務経験3年以上)』
「直接支援業務」または「相談支援業務」を以下の該当する施設で「3年以上」実施し、そのうち1年以上は児童福祉または障がい者施設での経験である必要があります。
ただし、以下の資格を持っていない場合は、必要な業務従事期間が「3年ではなく6年」となります。
・保育士
・社会福祉主事任用資格
・児童指導員任用資格(教員免許、幼稚園教諭、社会福祉士、精神保健福祉士、大学や大学院にて社会福祉学・心理学・教育学・社会学いずれかを修了している場合は該当)
・介護職員初任者研修を修了、または訪問介護員2級以上を保有する人
『B:国家資格ルート(国家資格業務を5年以上 且つ 直接支援または相談支援業務を1年以上)』
国家資格ルートは、国家資格が必要な業務に5年以上従事しており、且つ 障がい者や子どもを対象とする相談支援事業または直接支援業務期間が1年以上の場合、児童発達支援管理責任者の基礎研修の受講要件を満たします。
実務経験の年数は、年間勤務日数が180日以上の勤務がある場合のみ「1年」と換算されます。
しかし、勤務日数は時間が短くても勤務していればカウントする事が出来る為、時短勤務や数時間しか勤務していなくても、「勤務日数1日」とみなされます。
基礎研修の受講
児童発達支援管理責任者になる為に必要な研修として、最初に基礎研修を受講します。
基礎研修は、実務経験要件を満たす予定の2年前から受講する事が可能であり、基礎研修の内容は以下の通りです!
上記の基礎研修を修了すると、児童発達支援管理責任者が既に1名配置されている施設・事業所であれば、基礎研修修了者を2人目の児童発達支援管理責任者(みなし配置)として可能となります。
つまり、基礎研修を終えた時点で児童発達管理責任者として働く事が可能となり、個別支援計画の原案作成も出来るようになります。
OJTについて
OJTとは、「On the Job Training」の略称で、日本語では現任訓練と言います。
OJTは、現場に入りながら実務経験を積み、研修内容をより深く理解し学んでいく事がOJTの目的です。
OJTの期間は、原則2年以上と定められています。
けれど、2023年の法改正において放課後等デイサービスや児童発達支援などの障がい児通所支援や障がい福祉サービスの、サービス管理責任者や児童発達支援管理責任者になる為の要件が一部変更になりました。
その要件とは、 「サービス管理責任者等基礎研修終了後に一定の要件を満たせば、6ヶ月以上のOJTで実践研修が受講可能」とあります。
しかし、実践研修受講を可能とする為には、前もって指定権者に届出が必要です。
また一定の要件を満たす必要がある為、誰でもOJTが6ヶ月で実践研修の受講が可能になる訳ではありません。
OJTが6ヶ月以上の期間で受講可能となる要件は以下の通りになります。
実践研修の受講
基礎研修修了者としてOJT期間を2年行った後は、サービス管理責任者等実践研修を受講いたします。
実践研修とは、14.5時間に及ぶ「サービス管理責任者等実践研修」の事で、講義と演習を行います。
障がい福祉の動向に関連する事、サービス提供や人材育成、さらに地域連携に関連する講義と演習があり、全ての研修を終えると、晴れて児童発達支援管理責任者として資格を取得する事が出来ます。
5年ごとの更新研修
児童発達支援管理責任者の資格は、責任者の質を維持する為に5年ごとの更新研修の受講が必須となっており、更新研修内容は以下の通りになります。
障害福祉の動向に関する講義は実践研修と同じ講義があり、新しい現状を知る事が出来ますし、サービス提供の自己検証の演習なども含まれる為、ステップアップにも繋がります。
まとめ
保育士資格を取得し、保育園や放課後等デイサービスなどに長くお勤めの方は、児童発達支援管理責任者の実務要件を満たしている方もいらっしゃると思います。
キャリアアップを見据えて、児童発達支援管理責任者として活躍の幅を広げてみるのもいかがでしょうか。
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