福祉お役立ち情報

column

児発管

児童発達支援管理責任者(児発管)は、将来性があると注目が集まっています。

この記事から読むと、

  • 児発管とは
  • 児発管はどうして将来性があるのか
  • 児発管の仕事
  • 児発管になるには
  • 児発管の年収
  • 転職の注意点

など、児発管について詳しく理解することができます。

児童発達支援管理責任者とは

児童発達支援管理責任者(児発管)とは、障がいのあるお子さまのために、保育や療育などの福祉サービスを利用する際に必要な「個別支援計画」を作成し、サービスの提供を管理する専門職です。

児童発達支援事業所や放課後等でサービスなど施設設立にあたり、必ず配置しなければならないという重要な資格となります。

現在、この児童発達支援管理責任者は、将来性があると注目を集めているので、その理由を5つまとめていきます。

児童発達支援管理責任者は将来性があると言われる5つの理由!

児発管の将来性

発達障害児が増加している

最近では、『発達障害』と診断を受ける子どもの数が急増しています。

この理由としては、世間で『発達障害』という言葉の認知が広まったことが考えられます。
社会の中で『発達障害』という言葉の認知が広まり、これまで『発達障害』であることに気付いてもらえなかった子どもたちが支援を受けられるようになったという見方ができます。

「集団行動の中で指示が通らない子」
「授業中に集中できずに出歩いてしまう子」
「たくさん文字を書く練習をしているのに習得できない子」
「音読のときにスラスラ読むことが出来ない子」
「突然の予定の変更に対応できずパニックになる子」

など、状況に応じてうまく行動できない子は、数十年前は、本人の『やる気』の問題、『親のしつけ』の問題などとされ、

適切な支援を受けることが難しかったことでしょう。

彼らが発達障害児だったのかどうかはわかりません。
しかし、子どものやる気や親のしつけと言われ、

どうしたら良いのかわからないまま悩む子どもや保護者も多くいたのではないかと考えられます。

現在では、『発達障害』という言葉の認知が社会で広まり、早期発見や支援に結び付けることが可能となりました。

診断を受けた子どもの数が増えている最近、支援事業所の需要も高まり続けることでしょう。

支援事業所の需要が高まるということは、児童発達支援管理責任者も重要な役割を果たします。
将来性があると言われるのは、事業所設立に必ず配置しなければならない存在だからです。

児童発達支援施設が増加傾向

『発達障害』という言葉の認知が高まるにつれ、児童発達支援施設が増加していることがわかりました。

厚生労働省で行われた社会福祉施設の状況についての調査結果では以下の結果が報告されています。
児童発達支援事業所や障害児相談支援事業所は、必ず児童発達支援管理責任者を配置しなければならないことから、

将来的にも需要は高まるといえます。

また、過疎地域や少子化の進む地域では、児童発達支援事業所や障害児童相談支援事業所が十分に設置されていない自治体も少なくありません。

今後、支援が必要な子どもたちが適切な支援が受けられるように、児童発達支援事業所や障害児童相談支援事業所を設置する可能性は高く、事業所数は増加し続けることが期待できます。

③児童発達支援管理責任者不足

児童発達支援事業所や障害児童相談支援事業所の増加が見込まれる中、平成29年、国は、児童発達支援管理責任者に、これまで以上の専門性を求める方針を打ち出しました。

これは、研修を受けなければ児童発達支援管理責任者と認定されないシステムの導入になります。

決して簡単に取得可能な資格ではないため、各地で児童発達支援管理責任者が不足しているのが現状です。

このような状況から、障害を持つ子どもたちに十分な支援が行き届いているとは言い難いのが現状です。

支援を必要とする児童が急増する一方で、配置必須となる児童発達支援管理責任者がいなければ、施設は開設できません。
児童発達支援管理責任者は将来性のある資格といってもいいのではないでしょうか。

④児童発達支援管管理責任者の需要の高まり

児童発達支援事業所や放課後等デイサービス、障害児福祉施設などでは、

児童発達支援管理責任者の資格取得者の配置が必ず必要であることは、理解していただけたことでしょう。

長い実務経験も必要であり、研修の受講も導入され、誰でも取得できるような資格ではないことから、児童発達支援管理責任者は貴重な存在です。

児童発達支援管理責任者の給料

福祉関連の仕事は国が利用料金を定めていることもあり、さほど利益率が高いとはいえません。

厚生労働省が行なった「平成29年度障がい福祉サービス等経営実態調査」によると、
児童発達支援管理責任者の平均月給は327,000円とされています。

児童発達支援管理責任者の給料・年収は業界内で比べると高めの設定となっています。

これには高齢者介護よりも児童発達支援の方が報酬単価が高いことが背景にあるからと考えられます。

求人募集などを見ても、児童発達支援管理責任者の月給は高く設定をしています。

経験を積んで専門的知識を高め、要件を満たせば、将来性のある児童発達支援管理責任者への転職も可能になります。

児童発達支援管理責任者の仕事内容は

児童発達支援管理責任者の仕事内容についてみていきましょう。主に6つに分類しました。

行政や民間の相談員との連携

児童発達支援事業所等を利用する際に、行政から紹介を受けてサービス提供開始という流れが一般的です。

その際は、行政の相談員さんから対象児童やご家庭についての情報交換がなされます。

②保護者・児童との面談・相談支援

児童発達支援事業所等の利用を検討している保護者や児童との初対面の面談は、児童発達支援管理責任者が行います。

ここでは、施設見学や療育の内容等を説明し、利用するかどうかを決める機会となります。
不安を抱えた児童や保護者に寄り添うことが必要となります。
利用開始後も保護者との信頼関係の構築を目指し、適切な対応を行っていきます。

③個別支援計画の作成

利用開始が決まると、利用児童一人一人の個別の支援計画の作成を行います。
事業所によっては、複数人で作成・確認を行う施設もありますし、一人が複数人を担当し、作成するなど様々です。

しかし、必ず児童支援管理責任者が関わりながら作成をしていくことになります。
保護者からの利用児童の特性や日常の事業所内での様子などを照らし合わせながら、個別の支援計画を作成していきます。

④学校・保育園・小学校との連携

児童発達支援施設を利用する児童は、2歳から18歳と幅広くいます。

在籍する関係機関との連携は必須となります。
学校に送迎をしている事業所は、保護者からの学校の行事予定の確認はもちろんですが、学校の先生とのコミュニケーションも必要となります。

また、保育所等訪問支援を行っている事業所は、関係機関の先生と利用児童の特性について情報共有等を実施しています。

その事前準備等も児童発達支援管理責任者のお仕事になります。

指導員の育成

児童発達支援管理責任者は、事業所のリーダーとして、他の指導員の育成も行います。
必要な療育の知識や経験、職場内の良好な人間関係の構築など、児童発達支援管理責任者の人間性に繋がるかもしれません。

⑥療育

利用児童の療育に入ることもあります。
関係機関との情報共有など事業所の外での業務遂行には利用児童の発達段階の現状把握は欠かせません。

多忙な時間の合間に他の指導員とともに協力して療育に携わっていきます。
事業所においては、仕事内容も変更があるかもしれません。
転職活動の際に、必ず事業所へ確認をすることをおすすめします。

児童発達支援管理責任者になるためには

研修内容

児童発達支援管理責任者になるには、
①5年以上の実務経験
②基礎研修
③実践研修
④更新研修
が必須となります。


資格取得後も、5年ごとの更新研修への参加が求められています。
児童発達支援管理責任者になるために①から④をみていきましょう。

5年以上の実務経験

相談支援業務および直接支援業務を通算5年以上(高齢者等支援業務期間を除外した期間が3年以上であること)

直接支援業務を通算8年以上(高齢者等支援業務期間を除外した期間が3年以上であること)

国家資格の期間を通算5年以上(相談支援業務および直接支援業務から、高齢者等支援業務を除外した期間が3年以上であること)
参照:児童発達支援管理責任者の資格要件

・社会福祉主事任用資格を有する者
・訪問介護(介護職員初任者研修)2級以上に相当する研修修了者
・保育士
・児童指導員任用資格者
・精神障害者社会復帰施設指導員任用資格者
・指定の国家資格を有する者
・相談支援業務の対象となる施設に1年以上従事した者

相談支援の実務経験では、上記の資格所持者が対象となります。
ご自身の資格や実務経験など振り返ってみると児童発達支援管理責任者に該当しているということもあるかもしれませんね。

基礎研修

基礎研修は実務経験を満たす2年前から受講可能になります。

実践研修

実践研修は基礎研修を修了後、2年以上のOJTを積んだ方から受講対象となります。
条件を満たした場合に限りOJT6ヶ月に短縮も可能。

更新研修

児童発達支援管理責任者として5年に1度の更新研修の受講が必要となりました。

過去5年間で2年以上児童発達支援管理責任者やサービス管理責任者の実務経験を積んだ方が対象です。
児童発達支援管理責任者として活躍し続けるためには、専門的な知識の向上が求められていることがわかります。

児童発達支援管理責任者の年収

児童発達支援管理責任者の平均月給は327,000円で、年収にすると約390万円です。
2021年に障害福祉サービス等報酬改定が行われました。

障害児支援の推進により、児童発達支援管理責任者の報酬も見直されたため、
児童発達支援管理責任者の平均年収も増えていると考えられます。

児童発達支援管理責任者のやりがいとは

児童発達支援管理責任者としてのやりがいは、
障がいをもった子どもたちの成長を間近で見ることができることではないでしょうか。

子どもが成長すると、保護者もいつしか前向きな考えへと変化していくこともあります。

これまで、相談できずに悩んでいた保護者に寄り添い、利用児童の特性に応じた療育の成果が、成長という形で現れることは、この仕事の醍醐味といえるでしょう。

そのためには、専門的な療育の知識や経験を身に付けることに努力し、継続していかなければなりません。
決して簡単ではないお仕事ですが、一人で抱え込む必要はありません。
こどもは多くの大人と関わり、本気で向き合ってくれていることを感じ取ります。

安心・安全に成長する場所と思ってもらえるように、事業所スタッフ全員で創りだしていきます。
仲間とともに、成長やサポートすることにやりがいを感じられる人にはぴったりの仕事です。

児童発達支援管理責任者に必要なスキル

児童発達支援管理責任者のお仕事は多くあります。
全てに共通しているのは、コミュニケーションスキルではないでしょうか。

利用児童や保護者、関係機関の職員、そして、事業所のスタッフと、常に連携を図っていくお仕事になります。
また、関わる全ての人々の様子の変化に気づく、観察力もリーダーとしては必要なスキルといえるでしょう。

児童発達支援管理責任者の転職するときの3つの注意点

児発管 転職

実務証明書をいただく

退職を伝える際、必ず実務経験証明書の発行を依頼しておきましょう。
職場が児童発達支援管理責任者を引き止めたい場合などはスムーズに発行してもらえないというケースもあるようですが、事業所は事業者は労働者が求める証明書を発行する義務がありますので、必ず実務証明書の発行を依頼しましょう。

余裕ををもって退職を伝える(後任を探す必要がある)

実務証明書の発行も必要ですが、何よりも退職希望の旨を余裕をもって、事業所に伝えておきましょう。
後任のスタッフが必要になるので、事業所への配慮も忘れないようにしましょう。

なぜ転職を希望しているのか明確にしておく

職場への不満があることが理由であったとしたら、具体的な不満を整理しておくこと転職活動をする際に、必要な情報になります。
ネガティブな転職理由も見方を変えればポジティブに変換できることを理解しておくと、転職活動に活かすことができます。


・残業が多い⇒効率的に働きたい 
・パワハラ気質⇒発言出来る環境で整えたい
・人間関係がつらい⇒チームワークを重視したい
不満を抱くことは悪いことではありません。その不満をどうすれば解消できるかを考えることが大切ですね。

児童発達支援管理責任者の転職活動のポイント

これまでの経験を活かし、児童発達支援管理責任者の資格で転職したいと考えたときに、転職をするときのポイントを3つお伝えします。

児童発達支援管理責任者として転職する目的を考える

ご自身がどうして児童発達支援管理責任者として転職をしたいのか明確な理由をもつことは、採用面接でも大切になります。これまでの経験を活かしたいときには、どのように活かしたいのか考えて転職活動をしていくとよいでしょう。

療育内容の確認

児童発達支援事業所は全国的にまだ不足していると言われていますが、自治体によっては、多種多様な事業所が設立されています。
自分に合う療育施設はどこなのか、転職する目的を達成できる事業所なのか、必ず情報を得ることをおすすめします。

見学・体験会に参加

職場の雰囲気を感じ取ることは、転職後、長く勤務するうえで必要になります。
児童発達支援事業所の利用児童は、とても元気なお子さんがたくさんいます。
そのようなお子さんたちとスタッフがどのような関わり方をしているのか、スタッフ同士の連携はどうかなど、体験会では自分がそこで働く姿をイメージしてみると、自分に向き不向きの職場なのかが見えてくるかもしれません。

児童発達支援管理責任者におすすめの転職先

児童発達支援管理責任者の資格が活かせる転職先として、3つあります。それぞれの特徴があるのでみていきましょう。

児童発達支援施設

障害のある未就学児を対象としている支援施設です。
児童発達支援施設には、児童発達支援事業所や児童発達支援センターがあります。
障害児やその家族にくわえ保育所等の訪問をはじめとする地域支援も行っている施設もあるので、実際に事業所等に確認してみるとよいでしょう。

放課後等デイサービス

放課後等デイサービスの対象児童は、6歳から18歳までになります。
小学生・中学生・高校生が対象になります。小・中学校加え、特別支援学校の児童も対象になります。

送迎業務なども発生することがあります。こどもが好きな方には、とてもやりがいのある職場です。

訪問型児童発達支援

重度の障害をもつ子どもに対し、自宅に訪問して発達支援を行う事業です。

2018年より新設された支援サービスで、対象は、身体障害者手帳1.2級相当の子ども達が多い傾向にあります。
より専門性が求められ、熟練の実務経験のある児童発達支援管理責任者が求められます。

まとめ

児童発達支援管理責任者という資格は、

1.発達障害児が増加している
2.児童発達支援施設が増加傾向
3.児童発達支援管理責任者不足
4.児童発達支援管管理責任者の需要の高まり
5.児童発達支援管理責任者の給料


のことから、将来性のある資格であることがわかりました。


児童発達支援管理責任者の資格は簡単に取得できるものではありません。
実務経験等が必要になるので、必ず調べて、自分が該当するのかどうかを確認する必要があります。
仕事内容については、希望する事業所に必ず確認をして転職活動を行うことがベストです。

自分の経験を、より活かすことができる職場であるのか、そもそもどうして転職を考えているのか、自分の考えをまとめておくとよいでしょう。
将来性のある児童発達支援管理責任者として活躍する人が増え、支援が必要なこどもたちに必要な支援が届きますように。

あていんぷらすわんの情報も公開中です!

弊社は茨城県笠間市を中心に放課後等デイサービス・児童発達支援事業所「あていんぷらすわん」を運営しております。あていんでの働き方、求人情報が気になる方は是非こちらもご覧ください! いつも記事をご覧いただきありがとうございます♪