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保育士資格をお持ちの方、
これから保育士資格を取得し活用したいと考えている方に、
保育士の職場の選び方について、解説していきます。

保育士の資格をお持ちの方の中には、子育て中の方もいるかもしれませんね。

この記事は、

  ・保育士資格をこれから取得する人、
  ・今、保育士資格を活かして転職活動を考えている人、
  ・過去に、保育士として働いていて、子育て等を経て、これから復職を考えている人

に向けた内容になります。

まず、長く働くためのポイントとして、
確認しておいた方が良い内容は、
離職率の高い職場の特徴をおさえることです。


離職率が高い職場の特徴
・給料が低い
・業務量が多くサービス残業が多い
・有給取得率が低い
・一族経営で経営者側の主張が強い
・年功序列制度でキャリアアップを目指せない
・保育士同士の人間関係が悪い




現在、保育士の需要は高まっています。


『募集しているから応募しよう!』と軽率に自分が働く場所を決めるのは、
リスクが高いかもしれません。

その職場は、なぜ募集しているのか?

を見極めてから応募をしないと、
入社してから、こんなはずではなかった・・・と後悔してしまう可能性も考えられます。

保育士職場



まずは、自分が何を大切にしているかを整理していきましょう。

自分の職場選びの優先順位を見つけておくと、
求人票を確認するときに、

迷いがなくなります。
採用が決まってからも、
ブレることなく、長く働き続けることができるでしょう。

では、その優先順位を決めるにあたり16のポイントを確認していきます。

自分の中で、優先順位の高い順に、項目を記録していくとよいかもしれません。


【必見】保育士の職場の選び方!子持ちでも長く働くためのポイント15選!



①給与

保育のお仕事レポートによると、
転職をするとしたらのポイントの第1位は給料と言われています。

転職の際に重視するポイントは?現役保育士に聞いた職場の選び方 | 保育のお仕事レポート (hoiku-shigoto.com)

給料面が第1位ということは、転職を考えるきっかけとなるお悩みだということです。
仕事量と長時間労働に対して、
給料額が見合っていないことが、
離職を考えるきっかけになっている人が多いようです。


せっかく転職を考えるのであれば、
今と同等の条件か、
それ以上の条件を探していきたいと考えるでしょう。


ここでは、職場選びをする際の給料の見方のポイントをお伝えします。

求人票の給与額の見方として、注意しなければならないところを5つご紹介します。

①求人票に記載させている給料額と手取り額は違う
求人票の給与は、『額面』で記載されています。

『額面』とは、基本給に残業代や交通費といった諸手当が合算されている金額のことをいいます。社会保険料などが差し引かれる前の金額が記載されているので、実際の手元に届く金額『手取り額』は、求人票の金額よりも少なくなると理解しておきましょう。




②施設によって、基本給や月給など記載方法が違う

施設によっては「基本給・固定給・月給」と記載方法が異なります。


基本給
各種手当を差し引いた基本賃金のこと。

固定給
毎月決まった額を支給されるというものです。

月給
各種手当を含めた総支給額のことをいいます。




③残業代の支給方法を確認する
残業代の支給方法

求人票のなかには、「みなし残業」「固定残業代」などと記載されている場合があります。どちらも固定給のなかに一定時間分の残業代が含まれているというものです。
記載があった際には、基本給とのバランスに注意しつつ検討しましょう。




④ボーナス支給について確認する
ボーナスの支給についても、
年何回の支給なのか、何月支給なのか、
入社1年経過後からの支給など条件がある場合があります。
必ず確認しましょう。



⑤他社と比較する
ボーナスが年に1回の場合、
月給が高い場合があります。
月給が高いと思っても、ボーナス時期にどうして支給されないの?と疑問に抱くことがないよう、給料については、しっかり確認しましょう。


給与が高い場合は、

①勤務時間が長く、休みが少なくなるのか、

②長く働かなくてはいけなくても、とにかく待遇がよい方がいいのか、

③給与は多く求めないがプライベートを大切にしながら働きたいのか、

様々パターンが考えられるので、
給料について、
自分自身の理想や優先順位を決めていくと良いでしょう。



②施設の方針

保育士の職場の選び方において、施設の方針を具体的に把握しましょう。


「やりたいことができない」、
「方針が自分と合わない」など、

経験値が上がると、自分の理想や考え方にずれが出てくることは悪いことではありません。

ストレスに感じてしまうほどのギャップがあるのであれば、
働きづらさがあるのであれば、
転職も考えてもよいかもしれませんね。


我慢をしながら、長く働くことは、

自分を苦しめることになりかねません。



職場の方針に共感できるかどうかは、

働く自分をイメージできるかどうかにつながります。



特に中途採用の方は、
以前の職場と比較し、
どのような施設方針のもと、
どのように取り組んでいるのかをイメージしやすかもしれませんね。

ここは、実際に、見学等をして、確認することが必要になります。
求人票や施設のホームページを見るだけでは、
実際の職場の雰囲気はつかめません。

自ら進んで、施設見学や体験会にに参加して、
実際に雰囲気を観察するとよいでしょう。

③私立か公立か



どのように職場選びをすれば迷った場合は、
私立と公立のどちらにするかを決めておくのも一つの方法です。


私立と公立では、職員の待遇や働き方、転職のしかたなどに違いがあります。



たとえば、私立は、施設ごとに特色のある方針を掲げていますが、

公立は基本的に同じ地域であれば同じ方針のもとで行います。



そのため、音楽を重視している施設や英語に力を入れている施設など、
自分がやってみたい活動がある場合は、私立から探してみるとよいかもしれません。

両方の特徴を比較して、

自分が理想とする働き方を実現できるのはどちらなのかを向き合ってみてください。


≪公立の場合≫
公立の場合は、地方公務員となります。
給与や福利厚生などの待遇面は市の職員とさほど変わりませんので、
私立よりかは安定した収入が得られるでしょう。

行事は比較的少なく、
ゆったりとした時間が流れる園が多いようです。
ただし、公立の場合は、作成しなければならない書類の量は多いようです。




≪私立の特徴≫
施設ごとに方針が違います。
自分にあった施設方針に出会えれば、
働きやすさを実感できるでしょう。

施設によって異なりますが、
年間行事が多い為、
「年中準備に追われてあっという間に1年が終わる」と感じる方も多いようです。


どこに優先順位をおくかが、やはり大切ですね。


④施設形態

保育士職場

現在働いている職場に不満を感じてはいませんか。
子どもたちの人数によって、施設全体の雰囲気や一日の仕事量は違います。

・こども一人ひとりに寄り添ってじっくりと関わっていきたい
・たくさんの子どもたちに囲まれて賑やかに過ごしたい

など、保育士としての希望は様々です。

実際に見学に行き、直接施設の様子を確認することが一番大切ですね。

保育士は公立の施設に勤務しているのか、
私立の施設に勤務しているかで、
福利厚生が変わってきます。

公立であれば地方公務員として、

福利厚生が一律保障されており、

私立であれば、経営者や雇用主との間で締結されている労働契約に従って給料が支払われます。

一般的に公立の保育園などに勤務している人の方が、

給与が安定して高いといったケースが少なくないようです。

ただし、私立幼稚園などの中には少子化の時代でも入園希望者が数多くいるところもあり、
そのような環境であれば私立の保育士の方が給与も高くなる可能性はあります。




⑤年間行事

③公立や私立か、の中で、

私立は、年間行事が多いために、
「年中準備に追われてあっという間に1年が終わる」と感じる方も多いと、

感じる保育士がいることがわかりました。
保護者としては、たくさんの経験ができる保育園として、
需要は高いかもしれません。

その分、お給料はどうなのか、職場選びの比較をしてみてもいいでしょう。

また、行事が多いのであれば、

残業やお持ち帰り作業は多いのかどうかも見極めるポイントになりますね。




見極めるポイントとしては、

行事と行事の間は、どれくらいの期間があるのかを確認することです。
期間があるのであれば、準備にもゆとりがもてるかもしれませんが、
忘れていけないのは、通常業務との兼ね合いです。

また、一部の保育施設では、行事やイベントが無いところもあるようです。

企業内保育、院内保育、小規模保育や夜間保育など、
施設形態や規模により行事を行っていません。

できるだけ多く年間行事を経験したいのか、
それとも日々の保育に集中したいのか、

自分の意識や働き方について、
優先順位の方向性が決まりそうですね。

⑥設備環境

子どもたちが過ごす教室は、

  • 常に清潔な状態を維持しているか
  • 園庭や遊具は安全に配慮されているか
  • 職員室
  • ロッカー
  • 休憩室

など気になる部分はすべてチェックするようにしましょう。

ほかにも、

  • 子どもたちが快適にリラックスして過ごしているか
  • 職員同士のコミュニケーション
  • 保育の様子

はどうかを見ていいと感じれば、
その職場の環境も良好だと感じられるでしょう。

これらの情報を得るためには、

実際に職場を見学し、自分の目で確認することが大切です。

⑦勤務時間

勤務時間や休日について、
ここに優先順位を置くかも多いかもしれませんね。

保育士の働き方には、

シフト制や変形労働時間制、固定勤務などさまざまあります。

どういう勤務形態なのか、

何時から何時までのシフトなのか必ず確認しましょう。

自分の希望する働き方なのかを確かめることが大切です。

しっかりと休みを取りたい人は、

年間休日120日以上完全週休2日制などを優先順位の上位に掲げると、
希望する職場の検討もわかりやすいですね。

共働き家庭の増加にともない、
土日や早朝・夜間の保育を行ったり、
病児保育や一時預かりを行ったりと、

保護者のさまざまなニーズに対応するために形態は多様化しています。

⑧通勤距離・交通費全額支給か

保育士 職場

働く上で、通勤距離や通勤時間はとても重要になります。
自宅と職場の距離、
交通機関は何を利用するのか、

片道でどれくらいの時間がかかるのかを前もって確認しましょう。

職場が近いのであれば、残業にも対応できるかもしれないなど、

自分の優先順位を確立する情報にもなります。

また、通勤手当が全額支給させるかどうかもきちんと確認をしましょう。

⑨残業手当の有無

ほいくらぶの調査によると、残業代に関して、しっかり残業代がもらえていると回答したのは17.9%のみとなりました。少なくても残業代が出ている保育士は、全体の37.7%。残業代を全くもらえていないと回答した保育士が、27.4%と全体の4分の1を上回っています。残業自体がないと回答した保育士は17%。朝早くから体を動かす保育士にとって残業がないのは、理想的ですよね。


https://www.hoikushi-future.com/より引用

気になる職場の残業手当について、
確認することは必須ですね。

残業手当以外にも、



  • 役職手当
  • 資格手当
  • 特殊業務手当
  • 通勤手当
  • 住宅手当
  • 扶養手当

など多くの手当がありますが、

自分が希望する職場の手当についても、

確認してもよいでしょう。


⑩休暇について(育児休暇・有給休暇)

育児休暇について

求職者が女性の場合、

結婚・出産をした時に、どのような制度が利用できるかということを確認することは必須です。

育児休業制度などの制度がなければ、退職しなければなりません。
産前・産後休暇はいつから、どれくらい取れるのか、

育児休暇はどれくらい取れるのか、
産後の短時間勤務制度などの制度はあるのか

自分のライフプランとの照らし合わせが必要になります。

法律においては、

産前・産後休暇中、
その後の30日間に保育士を解雇することはできません。

就職を希望する職場では、
その制度がどれくらい利用されているか、

ということも合わせて確認するといいでしょう。

有給休暇は取得できるか

入社後6か月は有給休暇使用がない場合もありますが、

有給休暇があっても、忙しくて使えないという職場もあります。

有休休暇取得率を謳っている職場かどうか、しっかり確認していきましょう。



⑪職員の人数

人手不足で仕事量が多い状況を避けるためには、
職員の人数を十分に確保しなければなりません。

職員の人数が少ない保育園では、

保育士1人あたりの業務量が多くなります。で
求人情報に記載されている勤務体制と残業については確認が必要です。

施設見学できる場合は、保育士の人数や働いている様子を観察し、

働く様子を自分の目でみていきましょう。


⑫スタッフのやる気を起こさせる福利厚生

保育士 職場




長く保育士を続けるには、

結婚・出産をしても仕事ができる環境でなければなりません。
快適に働ける環境は、

そこで働くスタッフの仕事のモチベーションにつながります。

給与が高ければよりやる気も出るでしょう。
しかし、給与が高くてもお休みもなく自分への負担が多くては、

疲弊してしまっては、意味がありません。


職場として、福利厚生が充実していることは、長く働くためには必要なことなのです。

福利厚生とは、会社が給与のほかに支給してくれる報酬のことを言います。

一般的なもので言うと

・家賃補助
・住宅手当育児休暇
・介護休暇特別休暇制度
・昼食補助
・健康診断の補助
・介護休暇
・特別休暇制度
・昼食補助
・健康診断の補助



などが挙げられます。

家賃補助や昼食補助など、

固定費を下げられるものから、

有事のときに休める休暇まで、

どのような福利厚生があるかは会社によってさまざまです。

そのほか、

エプロン貸与
予防接種費用負担



など、保育園ならではの福利厚生を取り入れているところもあります。

毎日使用するエプロンを貸し出してもらえたり、

感染症が流行しやすい中で予防接種の費用を負担してもらえたりするのはうれしいですよね。

「この福利厚生制度があるから」という理由のみで、

園を選ぶのはリスクが高いですが、

自分の優先順位を満たして入れば、

福利厚生の充実度で選ぶのもよいかもしれません。

⑬キャリアアップ(研修制度)


新人保育士と主任保育士や園長では、役職や立場としての責任や業務に差があり、給与の額も変わって当然です。しかし、一方で保育士は係長・課長・部長といった段階的な肩書きがなく、役職による出世や昇給が難しいという側面もあります。

そこで、保育士の給与待遇を改善して保育士を目指す人を増やそうと、国は平成25年から公的補助金制度として「処遇改善制度」をスタートさせています。その一環として副主任保育士や中核リーダー、職務分野別リーダーといった新たな役職が認められるようになりました。これらの役職に就いている保育士が在籍している保育園に対しては、条件や人数に応じて国から補助金が交付されるため、保育士の基本給に加算して追加給与が支払われるようになっています。

ただし、処遇改善制度による補助金は、国から保育士個人へ支払われるのでなく、あくまでもその保育士を雇用している保育園などへ支払われるため、どのような給与配分になるのかは施設によって差が生じてしまう可能性もあります。

また、2019年12月には会計検査院の調査結果によって、適正な賃金の上乗せがされていないケースが全国で多数発生しているという実態が明らかにされており、行政が厳しく管理していく必要性が求められたことも事実です。

https://www.hoikushi-future.com/

保育士も経験を積んで、さらにキャリアアップができる環境に、

変化していっていると希望をもてるようです。


⑭人間関係と園の雰囲気

待遇面や仕事内容に満足していても、
職場の雰囲気がよくないと長く働き続けるのは難しいものです。

求人票だけでは、施設の雰囲気は伝わりません。
職場見学をして雰囲気をしっかりとチェックしていきましょう。

経営状態が良く福利厚生が充実した職場は、

保育士の仕事に対する満足度が高くなります。

また、十分な人員が確保できていれば、
職員1人に多大な業務量を課せることもありません。

スタッフ同士のコミュニケーションが活発化し、
人間関係での問題が起こりづらくなります。

さらに、スタッフ同士のコミュニケーションが活発であれば、
保護者からのクレームがあったとしても、
お互いにフォローし合うことが可能です。

実際に、見学に行き、見極めるしかありません。


⑮経営状況

保育士職場



経営状況にも、注目してみるとよいでしょう。

経営状況が悪い施設では、福利厚生や昇給には期待できません。

経営状態は実際に職場を見学することで、
ある程度、確認できます。

施設や遊具がきちんと手入れされているのか、
人員は十分なのか、

そこで働く人たちの表情もポイントかもしれません。


⑯頻繁に求人

事業規模拡大ではなく、
常に求人の掲載をしている施設は、

離職率が高い可能性があります。


離職率が高いということは、
人員不足になるので一人当たりの業務量が増えます。

では、なぜ、人員不足に陥ってしまうのか。

一番初めに提示した、

離職率の高い職場の特徴が見受けられるのではないかと考えられるので、

求人票をみたときは、

頻繁に求人を出しているのかを確認していくとよいと思います。



これまで、保育士の職場選びのポイント16選をご紹介してきました。
子持ちの保育士さんたちは、上記のポイント16に加え、

さらに、3つ職場選びのポイントを加えたいと思います。



子持ち保育士の職場の選び方はコレも必見




保育士 職場




①自分の子どもの行事と重なった場合の対応理解はあるか

会社によって、様々な反応があるようです。

昔は、仕事優先!の風潮が強かった時代もあるかもしれませんが、
今は、時代の変化で、柔軟な対応を考えている職場が多いのではと期待したいです。
実際のところについては、見学会に参加し、確認してみるとよいと思います。



②子育てに理解はあるか

保育士の資格を活かせる職場だとしても、

仕事は仕事です。

子育てにどれだけの理解があるのかは、
子育て中のスタッフが多い職場であるかどうかです。

幼い子どもは、体調を崩しやすいので、

理解し合える環境が自分自身の精神衛生上必要になります。


③子育て中の保育士はいるか

②を理解するうえでも、子育て中の保育者いて、

どのようなスタイルで働いているのかを、

確認してみるとよいでしょう。


保育士資格を活かせる職場



保育士の職場選びは、ポイント16を基本に、

自分の優先順位を決めることができたでしょうか。


保育士資格活かせる職場と聞くと、

こども園や保育所勤務が思いつきますよね。

実は、保育士資格は、こども園や保育所以外でも活躍する場があるのです。

その一覧は、こちらの気にまとめていますので、

ぜひ、ご確認ください。


保育士資格と自分のこれまでのキャリアとスキルを活かして、

理想の職場に出会えること願っています。