福祉お役立ち情報

column


近年、発達障がいの増加に伴い、それと比例して適切な支援が求められるニーズも増えております。本記事では、そんな発達支援の仕事について詳しく解説していきたいと思います。


発達支援とは?

発達支援とは、発達に遅れや障がいのある子どもたちに対し、その子どもが持つ可能性を最大限に引き出すことを目的とした支援のことを言います。

この支援には、言語能力、社会性、身体的なスキル、学習能力など、様々な発達領域にわたる介入が含まれ、発達支援の目的は、子ども一人ひとりの発達を促し、社会参加を支えることにあります。


発達障がいの増加

引用サイト:厚生労働白書


厚生労働省の調査によると、発達障がいの診断件数が増加しているという報告があります。これは、過去に比べて診断技術や認識が向上し、発達障がいの早期発見や診断が進んだことが一因ともされていますが、発達障がいが増加している要因には、他にも複数の要因が関与してると言われてます。


以下はいくつかの主な要因です。


【診断の向上】医学や心理学の進歩により、障がいがより早期に発見され、正確に診断されるようになりました。以前は見過ごされていたり、不明瞭であった障がいが正確に認識されるようになり、診断件数が増加しています。

【環境の変化】社会や環境の変化が、障がい児の増加に影響を与えています。生活環境のストレスや汚染、栄養不良などが胎児や幼児の発達に影響を与える可能性があります。

【遺伝的要因】遺伝的な要因や家族内での障害の遺伝的な傾向も、障がい児の増加に寄与しています。遺伝子レベルでの影響があるため、遺伝子の変異や家族内での障がいの遺伝的な傾向が増加に影響しています。

【社会的要因】社会的な要因、例えば貧困や不安定な家庭環境などが、子どもたちの健康や発達に影響を与える可能性があります。これらの要因が増加すると、障がい児の数も増える可能性があります。


これらの要因が複合的に作用し、障がい児の数が増加しているとされています。適切な支援や介入が提供されることで、障がい児が最大限に発達し、社会において意義のある生活を送ることができるようにすることが重要です。


発達支援が提供されている場所

発達支援が提供される場所は、そのサービスの種類や対象者の年齢によって多岐にわたります。

発達支援の提供される場所は主に以下のような場所が挙げられます。


【児童発達支援センター】

児童発達支援センターは、子どもの発達に関する様々なニーズに対応する施設です。ここでは、子どもたちの発達支援や相談、療育プログラムなどが提供されます。

【放課後等デイサービス】

放課後等デイサービスセンターは、放課後や休日など、子どもたちが保護者のいない時間に安全な環境で過ごすことができる施設です。ここでは、発達支援やレクリエーション活動、学習支援などが提供されます。

【療育施設】

療育施設は、発達障がいや学習障がいを持つ子どもたちに対して、専門的な療育プログラムを提供する施設です。ここでは、言語療法や作業療法、社会性トレーニングなどが行われます。

【地域の支援組織】

地域の福祉センターやNPO法人、地域団体などが、発達支援の活動を行っています。これらの組織では、発達障がいを持つ子どもやご家族に対して、情報提供や相談支援、支援グループの活動などが行われます。

【学校】

学校内には特別支援学級や支援センターが設置されており、発達障がいを持つ子どもたちに特別な教育プログラムや支援が提供されています。また、教育カウンセラーや特別支援教育教師が発達支援を行っています。

【オンラインプラットフォーム】

近年では、オンラインプラットフォームを活用した発達支援も増えています。オンラインカウンセリングやテレヘルスサービス、オンラインコミュニティなどが提供されています。

これらの場所で専門的なスタッフや支援者が、発達障がいを持つ子どもや若者、またはそのご家族に対して適切な支援やサービスを提供しています。


発達支援の仕事内容とは?

発達支援の仕事内容は、対象となる個人の発達段階、ニーズ、障がいの種類などによって異なりますが、主に発達障がいのある子どもへの教育、療育、相談支援などが含まれます。

専門職として、以下のような仕事内容が挙げられます。


【教育・療育支援】

・個別のニーズに合わせた教育プログラムや療育プランの作成と実施。

・言語発達、社会性、日常生活スキル、学習支援など、さまざまな面でのサポート。

・音楽療法、作業療法、理学療法、心理療法など、専門的な療育活動の提供。

【相談支援】

・発達障がいのある本人やそのご家族からの相談に応じる。

・心理的支援、生活相談、教育相談など、多岐にわたる相談業務。

・関連するサービスや制度の情報提供と支援の仲介。

【プログラム開発と評価】

・効果的な支援プログラムの開発と実施。

・支援の効果を評価し、必要に応じてプログラムの見直しや改善。

【家族支援】

・ご家族への情報提供やアドバイス。

・ご家族向けのグループ活動やセミナーの実施。

・ご家族間のコミュニケーションや理解を深めるためのサポート。

【連携・協働】

・学校、医療機関、福祉機関など、他の関連機関との連携。

・地域社会との協働による、包括的な支援体系の構築。

【研究・情報収集】

・発達支援に関する最新の研究や情報の収集と研究活動。

・専門知識の更新とスキルアップを目指した研修の受講や勉強会の参加。


発達支援の仕事は、対象者のポテンシャルを最大限に引き出し、自立と社会参加を支援することを目指します。そのため、専門的な知識や技術だけでなく、対象者やそのご家族に寄り添ったコミュニケーション能力や柔軟な思考も求められます。


児童発達支援の1日のスケジュール

児童発達支援の1日のスケジュールは、施設やプログラムの内容によって異なりますが、一般的なスケジュールの例を挙げてみます。


【朝】

9:00 – 朝の準備と子どもたちの到着

9:30 – グループ活動:歓迎の挨拶やコミュニケーション活動

10:00 – 個別の支援プログラム:言語療法、作業療法、運動療法など

11:00 – レクリエーション活動:運動遊びやアート活動


【昼】

12:00 – 昼食

12:30 – お昼寝やリラックスタイム(必要な場合)

13:30 – 室内または室外での自由遊びや集団活動


【午後】

14:30 – テーマに基づいたグループ活動:学習支援や社会的スキルの向上

15:30 – 個別の支援プログラム:行動分析、学習支援、心理療法など

16:30 – 保護者とのコミュニケーション:子どもの日々の進捗や相談

17:00 – 順次、子どもたちの帰宅や送迎の準備


【夕方】

17:30 – 施設の片付けと閉鎖

18:00 – スタッフの報告や日報の作成

18:30 – 退勤


このようなスケジュールで子どもたちに適切な支援を提供するために、様々なアクティビティや支援プログラムが組み込まれています。また、個々の子どものニーズに合わせた支援が行われるため、各時間帯でのプログラム内容や活動が柔軟に調整されることもあります。


児童発達支援に活かせる資格

児童発達支援で働くために有利な、または必要な資格はいくつかあります。これらの資格は、児童の発達や福祉のサポートに関連する専門知識やスキルを証明するもので、施設やサービスによって要求される資格が異なる場合があります。


以下は児童発達支援に活かせる、または必要とされる一般的な資格です。


【児童発達支援管理責任者(児発管)】

児童発達支援事業所や特別支援学校、障がい児施設などで必要とされる資格で、幅広い職場で求められております。その役割は児童の発達支援や福祉の向上に直接関わり、なくてはならない資格で大変重要なものです。

【児童指導員任用資格】

学童保育などで必要とされる資格。大学や短期大学、専門学校で児童福祉や心理学など関連する学科を卒業することで取得可能です。

【保育士資格】

保育園などで働くためには保育士資格が必要です。保育士養成課程を修了することで取得できます。

【作業療法士(OT)】

発達に遅れや障がいがある子どもたちの日常生活や学校生活の質の向上をサポートします。大学や専門学校の作業療法士養成課程を修了し、国家試験に合格する必要があります。

【言語聴覚士(ST)】

言葉の発達が遅れている子どもや、発話に障がいのある子どものサポートを行います。言語聴覚士養成課程を修了し、国家試験に合格することで取得できます。

【社会福祉士】

児童福祉施設や相談支援機関などで働く場合に有利な資格。大学等で社会福祉士養成課程を修了し、国家試験に合格する必要があります。

【精神保健福祉士】

精神的な健康問題を抱える子どもたちをサポートする際に有利な資格。専門学校や大学の養成課程を修了し、国家試験に合格することで取得できます。

【臨床心理士】

子どもの心理的な問題や発達に関する専門的な支援を行う場合に有利な資格。大学院レベルの教育機関で臨床心理学を学び、資格認定試験に合格する必要があります。

【心理士】

学校心理士や臨床発達心理士など、心理学の知識を生かして子どもの心理的な問題の解決を支援します。

【公認心理師】

日本で新たに制定された心理職の国家資格で、心理的な評価や支援、カウンセリングを行います。

【特別支援学校教諭免許】

特別支援学校や通常の学校で、障がいを持つ子どもたちの教育に従事します。


これらの資格は、児童発達支援の分野で専門的な知識や技術を持つプロフェッショナルとして活躍するための基礎となります。資格取得に向けて、関連する学科や課程での学習、実習経験の積み重ねが重要です。


児童発達支援の仕事でのやりがい

児童発達支援の仕事には多くのやりがいがあります。

その中でも、以下のような点が挙げられます。


【子どもたちの成長を見る喜び】

子どもたちが成長し、自信を持ち、新しいことに挑戦する姿を見ることができることは非常にやりがいです。

【家族支援】

子どもたちだけでなく、そのご家族や関係者に対しても支援を提供することで、家庭環境の改善やご家族間の絆の強化に貢献することができます。

【課題の克服】

発達障がいや学習障がいを持つ子どもたちと共に、課題に立ち向かい、それらを克服するプロセスに携わることで得られる達成感があります。

【創造性の発揮】

子どもたちの個々のニーズや興味に合わせた教育プログラムや支援方法を考案し、実践することで創造性を発揮することができます。

【コミュニティへの貢献】

地域社会や教育機関、福祉施設など、様々な場所で子どもたちの発達支援に携わることで、コミュニティ全体に貢献することができます。


これらのやりがいを感じながら、子どもたちやその家族の生活や将来に寄り添い、支援を提供することは、児童発達支援の仕事の魅力の一つです。


まとめ

今回は発達支援に関する仕事内容や活かせる資格などについて詳しく解説してきました。近年の発達障がいの増加に伴い、発達支援に対する認知や求められるニーズも大変増えてきております。発達支援という仕事は、大変な部分も勿論ありますが、それ以上のやりがいも非常に多い仕事です。発達支援という仕事に関心のある方は、是非、私たちと共に子どもたちの支援を楽しく行っていきませんか?


あていんぷらすわんの情報も公開中です!

弊社は茨城県笠間市を中心に放課後等デイサービス・児童発達支援事業所「あていんぷらすわん」を運営しております。

あていんでの働き方、求人情報が気になる方は是非こちらもご覧ください!

いつも記事をご覧いただきありがとうございます♪